私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 正直起き上がるのが精一杯で、パジャマを取りに行かなくていいのは楽だった。

 びっしょりに濡れたパジャマを脱ぎ、冷たい水が張った洗面器に浸して絞ったタオルで体を拭くと、生き返ったように気持ちいい。

 ふと気づいた。カーテン越しに見える外が明るい。時計を見ると夕方の四時。帰ってくるには早すぎる時間だ。

(どうして?)

 ベッドに体を起こして横たわり、フゥーと息を吐く。

 彼は自分のために早退してきたのだろうか。

 コンコンとノックの音がして、主真が入ってくる。左手にはトレイがあり器が見えた。

「お粥を買ってきたんだ。食べられそうか?」

「はい。少しなら」

 トレイを受け取って聞いてみた。

「あの、仕事は?」

「このままいてあげたいが、ちょっとだけまた戻らなきゃいけないんだ」

 聞けば主真は沙月の体調が心配で、朝イチで事務長に連絡したという。

 早退したと聞いて、オペが終わってすぐ様子を見に来たと聞き心が痛む。

「ごめんなさい……」