私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

(薄羽のためだけじゃなく自分のためにもやるしかないんです)

 顔を上げた沙月は、不自然な笑顔にならないよう気をつけながら口角を上げる。

「でも、本当に無理はしないので心配しないでくださいね」

「わかったよ」

 微笑む主真にホッと胸を撫で下ろす。

 そして無事「いってらっしゃい」と主真を見送った後だった。

 体がだるい。

 体温計で熱を測ると平熱よりも一℃ほど高い。

 ひとまず解熱剤を飲んで出勤し、急ぎの仕事だけを済ませて早退した。

 ゆっくり休めば大丈夫。
 寝不足が原因だから。

 夕方にアラームをセットして布団に潜り込んだ。

(苦しい……)

 測らなくてもわかる。熱は確実に上がっていて、寒気がするからもっと上がりそうだ。

『大丈夫ですよ、沙月さん。帰ってちゃんと休んでくださいね』

『無理しないでください。私がやっておきますから』

 みんなに心配かけてしまった。力になりたいと思っていたはずが、結局足を引っ張って。

 体調の管理は基本なのに。