私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 電子レンジでカレーを温めて並べ、早速食べ始めた。そのとき――。

 玄関のドアが開く音がした。

 まだ八時だが、沙月が帰ってきたらしい。

 パタパタと急ぎ足で来た沙月がひょっこりと顔出す。

「おかえり」

「ただいま……。あ、カレーの匂いがすると思ったら」

「冷凍庫のカレーを温めた。ちょうど食べ始まったところだよ」

 にこにこと笑みを浮かべながら近づいた沙月はテーブルの上を見回す。

「サラダくらい作りましょうか?」

「いや、大丈夫。野菜はマリネもキンピラもあるから」 

 沙月が「和洋折衷ですね」と笑う。

「食べ終えたら食洗器に入れておくから、気にしないでいいよ」

「あ、はーい。じゃあ着替えてきます」

 カレーを食べながら後姿を見送り、なんとはなしに顔が綻んでくる。

(和洋折衷か)

 言われてみればそうだが、気にも留めていなかった。