私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 視線を這わせると、浴室内はどこもかしこも綺麗だ。新しいレジデンスとはいえ、掃除をしなければ当然汚れる。

 主真は今でこそなにもしないが、アメリカにいたときは掃除も洗濯もすべて自分でしたので、よくわかっていた。風呂場の掃除も含め、沙月はしっかりと家事をこなしている。

 青葉家もそうだが、薄羽にも家政婦がいる。それが当然ゆえに、華子は家政婦を雇えと言ったのだろう。

 ならば沙月がこれほど完璧に家事ができるのはなぜか。

 経験もなしにできるとは思えない。自分がそうだったから。

 つらつら考えながらバスルームから出て、キッチンに向かう。

 まずは冷蔵庫を開けて、いくつかあるガラスの保存容器を開けてみた。

 朝食で食べたキンピラゴボウに、ぬか漬け。セロリやキュウリが入ったマリネ。

 それらを全部テーブルに出し、次は冷凍庫を開けた。

 パスタのような冷凍食品もいくつかあるが、料理が詰められた保存袋が綺麗に並んでいる。いくつか見てみて、主真はカレーを取り出した。