私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 沙月も参加するならば一緒に帰り、なんだったら食事もできたのに――。

 さてどうしようかとしばらく考えた。

(たまには、彼女のように『おかえり』と、出迎えてあげようか……)

 もう一度、沙月のメッセージを読んだ。


【今夜は講演会に参加することになりました。
 夕食は作れませんが、炊飯器に今朝炊いたご飯があります。
 冷蔵庫や冷凍庫、パントリーにあるものは、どれを食べても大丈夫です。
 よろしくお願いします。】


 冷蔵庫になにが入っているのか。講演会よりも興味がそそられる。

 あらためて庫内を見たことはないが、いったいどんな作り置きがしてあるのかも気になった。

 そうなると楽しみになってきて、主真は外食せずにまっすぐレジデンスに帰った。

 時刻は夜の七時半。沙月は懇親会で食事を済ませてくるだろうから、帰りは九時近くなるはずだ。

 いつものように主真はまず、ゆっくりと風呂に浸かり、汚れと疲れを洗い流した。