ラーメンを食べ終え、"雅"を出ると、藍は「他に行きたいとこあるか?」と訊いてきた。
わたしは「んー、、、」と考えたあと、ある事をハッと思い出し、「ある!雑貨屋さん!」と言った。
「雑貨屋?」
「うん、signっていうお洒落な雑貨屋さんがあって、欲しいキャンドルがあるんだぁ!」
「キャンドルかぁ。集めてるんだっけ?」
「うん。キャンドルの灯りだけで部屋を灯すのが夢なんだぁ。キャンドルの灯りって温かくて好きなの。」
「じゃあ、その雑貨屋行くか。体調は大丈夫か?」
「うん、今のところは大丈夫!」
車に乗り込んだわたしたちは、わたしの希望の雑貨屋"sign"に向かった。
窓の外を流れる景色を眺めながら、わたしはウキウキしていた。
すると、車内に珍しく音楽が流れていることに気付く。
よく聴くと、それは清水◯太の"花束のかわり◯メロディーを"だった。
「藍って、清水◯太聴くんだね。」
「えっ?ダメか?」
「ダメじゃないけど、聴いてるの見たことなかったから。」
「最近聴き始めた。」
「今更?でも、この曲いいよね。わたしも好き。」
わたしはその曲を口ずさみながら、雑貨屋に着くのを待った。
久しぶりに聴く"花束のかわり◯メロディーを"は、何だか懐かしくて、ついつい頭から離れなくなってしまっていた。



