季節は春になり、ある心療内科の受診日。
「うん、寛解と言っていいね。心療内科卒業です。」
黒木先生から嬉しいお言葉をいただき、わたしは無事に心療内科を卒業することが出来た。
「でも、油断は禁物ですよ?寛解であって、完治ではないですからね?まぁ、すぐそばに名医がいるから大丈夫だと思うけど。志摩先生のところには、通院を続けるんですよね?」
「はい。」
「もし、また何かあったら、いつでも声掛けてください。」
「はい、ありがとうございます!」
そして、診察室を出ると、少し向こう側に藍の姿が見えた。
今日は大学病院の当番医として来て居るのは知っていたけど、また看護士さんに声を掛けられていた。
「藍先生、LINE交換していただけませんか?」
「俺が既婚者なの知ってるよね?」
「わたしは、2番目で構いませんから。」
「俺、そうゆうの興味ないんだ。じゃあ、もうそろそろ妻の診療が終わる頃だから、失礼するよ。」
そう言うと、藍は白衣のポケットに手を突っ込んで総合受付の方に歩いて行った。
わたしは藍のあとをついて早足で行くと、「藍先生!」と声を掛けた。
「藍先生、相変わらずモテモテですね。」
こっちを振り向いた藍にわたしがそう言うと、藍は「瑠衣。俺は、嫁一筋ですから!」と言った。
「知ってる!」
「で、診察は終わったのか?」
「うん、終わったよ。黒木先生に、心療内科卒業!って言ってもらえた!」
「おぉ!おめでとう!」
藍はそう言い、本気で喜んでくれた。



