「あの時は、瑠衣のことを諦めようとしてたんだ。そんな時、相手から告白されて、付き合ってみた。でもさ、やっぱり違ったんだよなぁ、、、。あと1ピース嵌めれば完成するパズルに、似たようなピースを無理やり押し込んでみるけど、隙間だらけでパズルは完成しない。俺の心のパズルの最後のピースは、、、瑠衣だけなんだよ。」
藍はそう言うと、再びわたしの目の前に結婚指輪が入っている箱を差し出した。
「だから、俺の嫁になってくれませんか?」
藍の言葉にわたしは涙を流しながら、照れ笑いすると「はい。」と返事をした。
すると、藍は「ありがとう!」とわたしを勢い良く抱きしめた。
「もう瑠衣は俺の嫁だ〜。離さない!」
「そんなこと言って、浮気しないでよ?」
「するわけないだろ!小学生の時から想い続けて、やっと叶ったんだぞ?」
わたしたちはそんな会話をして笑い合いながら、抱き合い、そして、「ほら、指輪。左手出して。」と藍に言われ、わたしは左手を出した。
指の変形はあるが、結婚指輪はピッタリとわたしの薬指に嵌り、輝きを放っていた。
「ピッタリだな!」
「よくサイズ分かったね。」
「医者の勘ってやつだよ。」
「何それ。」
「指輪、よく似合ってる。」
わたしは指輪が嬉しくて、しばらく自分の薬指を眺めていた。
すると、ふとあることを思い出した。
「そういえば、いつも車でかけてた"花束のかわり◯メロディーを"って。」
「あぁ、あれは瑠衣に向けてかけてたんだよ。やっぱりわかりづらいよな?」
「わかりづらいよ!五藤くんに言っといて?わかりづらいよって。」
「うん、伝えとく。」
そう話したあと、「チキンとラタトゥイユが冷めちまうな。食べるか。」と藍が言い、わたしたちは食卓についた。
あんなに食欲がなかったわたしだけど、一気に心が元気になり、たくさん食べることが出来た。
わたしは結婚指輪が嬉しくて、何度も左手薬指を眺めたり、芸能人が結婚会見でするように左手を藍に見せつけたりして、最高のクリスマスを楽しんだのだった。



