仄かに香るメロウ


「わたし、それで怖くなったんです、、、。藍が、、、わたしから離れて行っちゃうのかなぁって。」

呟くようにわたしがそう言い視線を落とすと、藍はわたしの肩に手を置き、「瑠衣、、、。」とわたしの名前を呼んだ。

すると、黒木先生が優しい口調で「七海さん?」と呼ぶ。

わたしは顔を上げ、黒木先生を見た。

「今から僕が言う事は、心療内科医としてではなく、守りたい愛する人がいるイチ男として言う言葉です。七海さん、男という生き物は、愛する人の為なら何だって頑張れるし、過保護になってしまうものなんですよ。」

黒木先生はそう言ったあと、藍の方を見ると「ね?篠宮先生?」と微笑んだ。

藍は黒木先生の振りに照れくさそうに微笑みながら、「そうですね。」と答えていた。

「僕の言葉から、何か感じたことがあるはずですよ?七海さん、自信を持って大丈夫です。」

黒木先生はそう言うと、「僕からの言葉は以上ですが、何か言っておきたいことは他にありますか?」と言い、わたしは黒木先生の言葉に首を横に振った。

「今日は、志摩先生のところには行くんですか?」

黒木先生が藍にそう訊き、藍は「はい、最近関節痛が悪化してるので、ちょっと診てもらいに行ってきます。」と言った。

「そうですか、関節痛はツライですよね。今日は来ていただいて、ありがとうございました。では、次はまた3週間後ですね。」
「はい、ありがとうございました。」

診察室を出ると、わたしは思った。

"愛する人の為なら何だって頑張れるし、過保護になってしまう"

"僕の言葉から、何か感じたことがあるはずですよ?"

藍の愛する人、、、それって、、、