仄かに香るメロウ


「いえいえ、カルテが見つかったなら大丈夫です!黒木先生、頭を上げてください!」

わたしが慌ててそう言うと、黒木先生はゆっくりと頭を上げ、「いえ、こんなことあってはならない事なので。」と言い、再び椅子に腰を掛けた。

「それで、、、七海さんにお窺いしたいことがありまして。」
「もしかして、、、岡田さんの事ですか?」

わたしがそう言うと、黒木先生は「うちの岡田と何かあったんですね。」と言い、何かを悟したような表情を浮かべた。

「最初に話し掛けられた時は、、、藍先生と関わらないでと言われました。」

わたしの言葉に「えっ?それいつだよ、初耳だぞ。」と驚く藍。

わたしは「先月の受診日の帰りだったかな、、、。そんな言う程の事じゃないと思って。」と言った。

「それから、こないだ気を失って運ばれた時は、岡田さんが病室に入って来て、、、"あんたなんか居なくなればいいのに"と言われました、、、。それが、、、昔、母に言われた言葉と重なって、パニックを起こしてしまいました、、、。」
「そうだったんですね、、、岡田がそんなことを、、、。それは看護士として以前の前に人として、言って許される事ではありません。大変申し訳ありません。」
「、、、岡田さんは藍のことが好きなんだと思います。だから、藍と岡田さんは、何か深い関係で、わたしが邪魔だからそんなこと言ったのかなって、、、。」

わたしがそう言うと、藍は、「岡田さんとは何もない。LINEを聞かれたことはあるけど、断ったし、それだけだ。」と言った。

それを聞き、黒木先生は「岡田の嫉妬から出た言葉だったんでしょうね、、、。」と呟くように言い、険しい表情を浮かべた。