そして少しの間、1番の診察室前で待っていると、「七海さん、中へどうぞ。」と1番の診察室が開いた。
藍と共に診察室に入ると、中には黒木先生が居て「こんにちは。」と優しく穏やかな声で挨拶をしてくれた。
「こんにちは、宜しくお願いします。」
「3週に一度のところ、突然呼び出してしまって申し訳ありません。」
「いえ、こないだは、、、お騒がせしまい、すいませんでした。」
「その事は、気にしなくていいんですよ。」
黒木先生はそう言うと、変わらず穏やかな口調で「あれから、体調や気持ちの面などどうですか?」と訊いた。
「体調は、倦怠感で起きるのがツライです。あと、動悸と頭痛もあります。気持ちの面では、また自分を傷付けたくなってきてしまって、、、。」
わたしがそう言うと、黒木先生は「そうですかぁ、それはツライですね、、、。またそうなってしまった、きっかけに心当たりはありませんか?」と言った。
心当たりは、、、ある。
でも、それを言っていいのか、わたしは戸惑った。
「実は、七海さんに謝罪しなければならないことがあるんです。うちの看護士が七海さんのカルテを勝手に持ち出して、無くすという事がありまして。」
黒木先生の言葉を聞き、さっき処置室前で聞いた看護士さんたちの会話を思い出す。
黒木先生は「結果的には、主任がカルテを見つけたので、七海さんの情報が漏れるようなことはなかったんですが、こちらのミスですので、、、本当に申し訳ありませんでした。」
黒木先生はそう言うと、椅子から立ち上がり、深く頭を下げた。



