仄かに香るメロウ


「あ、これじゃない?」
「あー!それ今、わたしが押そうと思ってたのにぃ!」
「ほら、他にもあるんだから探せよ。」
「次はわたしが先に見つける!」

そんな会話をしながら、わたしのスマホの小さな画面で"まちがいさがし"をするわたしたち。

やっぱり藍と一緒に居る時間は落ち着くし、楽しい。

2人で居ると時間はあっという間に過ぎ、22時にもなれば、わたしの電池も切れてしまい、全身の関節が痛み出した。

「瑠衣、今日薬飲んだか?」
「忘れてた。」
「また忘れてたのか。とりあえず、俺の部屋行くぞ。」

そう言って、藍は軽々とわたしを抱え、お姫様抱っこをすると、自分の寝室へとわたしを運び、ベッドに寝かせた。

「藍って、意外と力持ちだよね。」
「医者は力と体力がないと、やってられないからな。今、薬持って来るから待ってろ。」

藍はそう言うと、寝室から出て行き、わたしの薬を取りに行った。

そして、薬とグラスに注いだ水を持ってくると、わたしに手渡してくれる。

わたしは薬を水で流し込むと、グラスを藍に渡し、関節の痛みから「いたたたた、、、。」と呟きながら、ベッドに横になった。

「何でわたしをこっちに連れて来たの?」

わたしがそう訊くと、藍はベッドの上にあがり、わたしの背中を擦りながら「俺のベッドの方が寝心地いいって言ってただろ?」と言った。

「それは、、、言ったけど。」
「そんなこといいから、もう寝なさい。眠れるまで背中擦っててやるから。」

また藍に甘えてしまっている。

でも、甘えさせてくれる藍の気持ちが嬉しい。

わたしは目を閉じると、関節の痛みが和らいでくると共に藍のベッドで眠りに落ちた。