仄かに香るメロウ


気が付いた時には、わたしは消毒のニオイが鼻につく、病院のベッドの上に寝かされていた。

左手首を上げてみると、包帯が巻かれていて、手当てをされていた。

わたし、病院に運ばれたんだ、、、

そう思っていると、ベッドを囲むカーテンが少し開き、白い看護服が見え、わたしの姿を確認してから中へ入って来た。

その看護士さんは、見たことがあるショートボブの看護士さん、、、岡田さんだった。

「目が覚めてたのね。」

そう言いながら、岡田さんは自分の腕時計を見ながら、わたしの右手首を触り、脈を確認した。

「あなた、まだ藍先生と関わってるの?さっき、黒木先生が藍先生に連絡してるのを見たわ。」

わたしはまだ頭がぼんやりとしていて、岡田さんの言葉は聞こえるが、何と返していいのか分からずに黙ったままでいた。

「忠告したはずよ。藍先生には、関わるなって。」

怖い顔でわたしを見下ろす岡田さん。

脈を確認し終えると、岡田さんは「あんたなんか、居なくなればいいのに。」と言い残し、カーテンの隙間から出て行った。

"あんたなんか、居なくなればいいのに。"

幼少期に母から言われた言葉と重なり、急に身体が震え出した。

藍に執着する岡田さん。

もしかして、藍の好きな人って岡田さん?

だから、わたしに藍と関わるなって言ってくるの?

そう考えていると頭の中がパニックになり、わたしは泣き喚きながら髪の毛をグシャグシャにして、暴れてベッドから落ちていた。