仄かに香るメロウ


ラーメンを食べ終え、温かい店内から秋風の吹く外へ出ると、温度差に自然と身体が身震いした。

そして、藍の車に乗り込み、帰宅する車内でわたしは気付く。

また車内に、清水◯太の"花束のかわり◯メロディーを"が小音量で流れていたのだ。

最近、この曲ばかりかかってるなぁ。

そんなにこの曲が気に入ってるのかなぁ。

そんなことを考えながら、わたしは満腹になったお腹を円を書くように撫で、「お腹いっぱい〜。」と幸せな悲鳴を上げた。

自宅に帰って来ると、わたしはソファーにダイブした。

「藍〜、脚浮腫んで痛い。マッサージして〜。」

わたしがそう言うと、藍はコートを脱ぎ、「ちょっと待ってろ。コート置いて来るから。」と言い、わたしのコートも一緒に持って、クローゼットにしまいに行った。

そして戻って来た藍は、わたしの足元に座り、自分の膝の上にわたしの脚を乗せて、マッサージを始めてくれた。

「うわぁ、パンパンだな。」
「あー、そこ痛い。」
「こりゃ痛いはずだ。」

そう言いながら、わたしの脚をマッサージをする藍は、いつも嫌な顔一つせず、真剣な表情で丁寧にわたしの痛みを和らげようとしてくれる。

「ねぇ、そういえばさ。」
「ん?」
「最近、藍の車、"花束のかわり◯メロディーを"ばっかりかかってるよね。」
「あぁ、、、うん、まぁ。」
「そんなに気に入ってるの?」

わたしがそう訊くと、藍は「んー」と唸ってから「瑠衣、五藤って覚えてるか?」と言い始めた。