仄かに香るメロウ


それから、わたしが少し回復してきたのは、藍が休みの日曜日だった。

お昼頃に起きてリビングに行くと、藍はソファーに座り分厚い医療書を読んでいた。

わたしが起きてきた事に気付いた藍は、「瑠衣、おはよう。」と言う。

「おはよう。」
「体調はどうだ?」
「今日は昨日よりちょっと良くなった。」

わたしはそう言うと、藍の隣に腰を下ろし、「勉強してたの?」と訊いた。

「勉強って程でもないよ。それより、腹減ってないか?」
「んー、ちょっと空いた。」
「何食べたい?」
「、、、ラーメン。」

わたしがそう答えると、藍は笑い、「食欲出てきて良かった。"雅"でも行くか。」と行ってくれた。

「行く。」
「じゃあ、準備するか。瑠衣は急がなくていいから、ゆっくり支度しろよ?」
「うん。」

そうして、わたしは服を着替え、髪の毛を梳かし、最低限の化粧をして支度を済ませた。

藍は、わたしを急かすことなく、自分の支度が済んでからもゆっくりしながら待っていてくれて、わたしの準備が整ったのを確認すると、「さて、行くか!」とソファーから腰を上げた。

行きつけのラーメン屋"雅"までは、自宅から車で20分程で着く。

本調子ではないが、ラーメンが食べられるのが楽しみで気持ち的には元気になれてきた気がした。