仄かに香るメロウ


「薬は飲んだか?」
「うん、飲んだよ。」
「タマゴサンド食べたんだな。偉い。」
「美味しかったよ。」

そんな会話をしながら、藍は背中を撫でたり、首の後ろをマッサージしてくれたりした。

「ねぇ、藍。」
「ん?」
「わたしが居て、、、迷惑じゃない?」
「お、今日はどうした?」

毎日、お昼休憩の合間にわたしの様子を見る為に一時帰宅してくれる藍。

わたしは、藍に負担ばかりかけてしまっているのではないかと、ふと不安になることがあるのだ。

「わたし、ここに居ていいのかなぁ。」
「いいに決まってるだろ。一緒に暮らそうって誘ったのは、俺の方だぞ?」
「そうだけど、、、。」
「俺は、薬の飲み忘れが多くて手のかかる、俺の作った料理を美味しそうに食べてくれる、一緒にラーメンを食べに行ってくれる瑠衣が居ないと寂しいぞ。」

藍はそう言うと、わたしの頭を優しくポンポンっと叩いた。

「出来るだけ早く帰って来るから、大人しく寝てるんだぞ?」
「うん。」
「何かあったら、すぐに連絡しろよ?」
「うん。」

藍は優しく微笑むと、「じゃあ、行ってきます。」と言い、わたしに布団を掛け直すと、再び仕事へ戻って行った。

今日のわたしは何だかネガティブだ。

わたしはいつも藍のベッドの左側に寝ているのだが、右側に移動すると、布団に残る藍の匂いを感じながら、眠りについたのだった。