仄かに香るメロウ


次の日の朝、わたしが目を覚ました時には、隣に藍は居なかった。

もう仕事へ出勤して行ったのだろう。

わたしはまだ開き切らない瞼の隙間から、枕元に置いてあるスマホで時間を確認した。

「9時56分かぁ、、、。」

今日は身体の調子が悪い。

身体中に鉛が付いているように重く、怠く、身体を起こす気になれなかった。

少しの間、布団の中でゴロゴロしてから、わたしはほんの少ししかない気力で布団から出ると、フラフラしながらリビングへと向かった。

すると、食卓テーブルの上にラップがかかった藍手作りのタマゴサンドが置いてあり、その横にはA4サイズのホワイトボードが添えてあり"ちゃんと薬飲めよ。昼頃に一度帰宅する。"とメッセージが書き込まれていた。

わたしは藍が作ってくれたタマゴサンドと共に温め直した昨日のラタトゥイユを食べ、藍の書き置き通り薬を飲んだ。

それから、すぐに藍の布団に戻って寝込む。

病院などで出掛けた次の日は、大体体調が悪くて寝込んでしまうのだ。

ウトウトとし始めた頃、何か気配を感じ、重たい瞼を開ける。

すると、目の前には藍の姿があり、「あ、起こしちまったか。悪い。」と言った。

藍はわたしの頭に手を置いていて、どうやら頭を撫でていてくれていたようだ。

「今日は体調悪そうだな。」
「うん、、、身体が怠い。あと、背中が痛い。」

わたしがそう言うと、藍は「どれ、横向け。」と言い、わたしを横向きに寝かせると、背中を撫でてくれた。