「陶器製の人形? そんなもの景品になるんだ。ちょっと欲しいかも」

「取ろうか?」

「取れるの? 結構小さいけど、狙うの難しくない?」

 一応三発分の弾は用意されていたが、ヤコは一発で落とした。

 普通こういうのって、客が落としづらいように出来てると思うんだけど。

「もしかして前世はスナイパーだったりする?」

 ヤコは隣で弾を外しまくる女の子をチラ見しつつ、

「香織もやってみれば? 案外簡単だよ」と言った。

「じゃあ残り二発撃たして」


 結局のところ、私に射的の才能というものは無いらしい。

 勢い余って屋台のおじさんを撃ちそうになり、ヤコは私から慌てて銃を取り上げた。

「止めときな、香織には難しすぎるよ」

「さっきと言ってること違うじゃん」