裏庭。
呼び出してすることなんて決まってる。私が一方的にぼこぼこにされるのがお望みなんでしょうけど。
私は思わず失笑してしまう。
「こいつおかしくなっちまったんじゃねーの?この状況もう分かってんだろ?」
ぎゃはぎゃはと汚い音を奏でる男どもを、私はただ静かに冷ややかな目で見下す。
「チッ、もういい!やっちまおうぜ!」
一人の男が奮い立ったのを皮切りに、五人全員で突進を始める。
五人がかりとか笑っちゃう。タイマンじゃ勝てませんって負けを知らせに来てるようなもの。
私は一人の拳を身を低くして避け、そのまま胸ぐらを掴んで下に引きづり込み、背負い投げをしてもう一人にお見舞いする。
仲間を殴らないように半秒反応が遅れた隙に、私の後ろ蹴りが二人の顎と鳩尾に命中する。
あと一人。
仲間が次々となぎ倒されていく様に怯みを見せている。ちょろい。
そう思った刹那――――、ドスッと鈍い音と共に、じんわり右足首に激痛が走った――――。
え…………?
