「ねぇーあかり!昨日告白されたって本当!?」
「えっ・・・」
教室の扉を開けた瞬間に言われた言葉は挨拶ではなくこれだった。
高根君を見たら気まずそうに目をそらした。
この反応は高根君がバラしたわけではなさそうだ。
さらに、相手も知られてるみたい。
高根君は男子に囲まれて質問攻めにされている。
これは隠しても意味ないな。
「なんで知ってるの?」
「昨日あかりが高根君に告られるのを見た人がいるんだって!」
まったく…その人誰だよ。
だけど、私が告白された時は周りに誰かがいた気配もなかったし、もしかして高根君のファンの人が気配を消してずっと見ていた?それだったらありえる。それで私が高根君を振って何様だよ、高根君を振ったのを後悔させてやるっていうことで広めた?
「あかり!あかり聞いてる?」
「えっ、何を?」
「だから今日の放課後うちに来てって!」
「え?なんで?」
「だからー、高根君に告られるぐらいだったら絶対あかりは可愛いから、そんな可愛いあかりに私流のメイクを伝授するの!」
そういってウインクするのは私の親友ー山田みくだ。
「おい。あかりちょっとこい」
「あらら、彼氏さんがお呼びですよ〜あかり」
「だからたくは幼馴染だっていっているでしょ!」
みくが私の彼氏と言っているたく(なぜ彼氏と言われているのかはわからない)ー木村たくはそんなことを気にしないといった様子で私の手首を掴んでズンズンと出入り口の方に進んで行った。
そのまま屋上のドアの前までひっぱり急に立ち止まった。
「ちょっと何?もう直ぐチャイムなるんだけど」
「・・・」
「だから何?黙ってたらわからないんだけど。」
「・・・」
「もう教室戻るよ!」
「あんな奴とは付き合うな」
そう言って後ろから抱きしめられた。
私は何も言えずに顔が赤くなるのがわかった。
「ちょっ、何してるの」
「?抱きしめてる」
「やっ、それはわかるけど何で?誰か来たらどうするの。」
「誰も来ないから大丈夫」
「だから、もし来たらどうするの!」
「俺があかりの彼氏っていう噂がさらに有名になっちゃうかもね」
「意地悪!///」
「よし。充電満タン。先教室戻っとくね」
そう言ってたくは教室に戻った。
前から私の許可取らずに勝手に私を連れ出すことはあったが、今日みたいに後ろから抱きしめられることはなかった。
「何なのあれ。///」
私は教室に戻ってからもたくのことを意識しすぎて、授業には集中できないし、顔が赤くすぎてみくに熱があるんじゃないかと疑われるほどだった。