「好きです。付き合ってください」
･･･ちょっと待って。私今告白されてるのか？
いや。うん。さすがにないよね、、、
私ー森田あかりは自分で言いながら傷つく。
だけどこうなってしまうのも仕方がない。
だって相手はクラスの中でも中心にいる人物ー高根くん。貴音くんはサッカー部エースで高身長イケメン。さらに、サッカーはもちろん、水泳、バスケなどスポーツは全部できる。それに比べて私は美術部で成績は真ん中らへんで運動神経も普通。そこら辺にいる高校生だ。
「呼び出す相手間違えたんじゃないですか？」
「いや。俺は森田を呼んだんだ。入学した時からずっと好きだった。」
「だからなんですか？、、、」
「だから最初に言っただろ。付き合ってくださいって。」
そういえばそんなこと言ってたな。
告白されたとき、パニックになっていたから覚えてない。
だって生まれて初めての告白だもん。
だけど･･･
「だけど付き合えません。」
相手の口から「なんで」と一言もれた。
「理由は好きでもない人と付き合いたくないのと、別に好きな人がいるからです。ごめんなさい」
そう言ってその場から立ち去ろうとした。
それで諦めてくれればよかった。
けれど高根くんは諦めてくれなかった。
「本命の人には告白してないんだろ？それに、好きじゃないけれど、付き合ってたら好きになるかもしれないぞ？っていうか好きにさせる。」
「いえ、付き合えません。」
「なんでだ。」
「理由はさっき言った通りです。さらに付け足すと、目立たない私が目立つあなたと付き合ったら注目されます。私は注目されるのが嫌です。つまり、あなたは自分の好きという感情の都合で好きな人の平穏に高校生活を過ごしたいという夢をこわすことになるんですよ？それでもいいのですか？」
さすがに好きな子の生活をこわすとなるとなったら何も言えないだろう。
それでも相手は諦めなかった。
「じゃあ、試しに１ヶ月。１ヶ月だけど付き合うは？それにみんなには内緒にするからさ。」
「無理です」
「でも･･･」
「あかりー。あかりどこー。」
「それでは呼ばれてるので。」
「ちょっと待ってくれ！」
「すみません。どんだけあなたが説得しようとしても、あなたとは付き合えません。それでは。」
そう言って私は声のする方へ向かった。
この告白のせいで私の平和が、こわされるとは知らずに。