虹橋の先へ



「僕としては大変結構なことだけど、ちょっと待って。兄さんに殺されたくはないからね。もう少しだけ我慢、かな?」

「……はい。承知しています。だから、お叱りは僕へ。オーリーは、寧ろよく待ってくれた。それに、正直に申し上げるなら、アルフレッド様にも責任はあるかと」



ほっとしたと同時に、ちょっとーーいや、結構残念。
実行しないところが、したとしてもきっと、こちらに合わせてくれるだろうけれど。
それでも、まだニールと二人で過ごせないのは悲しい。
ロイが言うのは多分、自分がまだ幼いからだ。



「ニール」

「いや、ニールの言うことも一理以上あるよ。まあね、もちろん兄さんは、君が成人する頃には、オリヴィアももう少し大人になっているように……ってつもりなんだろうけど。理由をつけては君に会わせないもんだから、こんなに反動が大きくなっちゃって……とどのつまり、可愛い娘を男に渡したくなかっただけだよね」


やはり、妨害されていたのか。
無表情なようで子煩悩な父を思い、ちょっとだけ照れくさい。