虹橋の先へ



それは困る。
久しぶりに見る姿だけでドキドキを通り越して狂おしいくらいなのに、ニールの仕草や表情、視線の移ろい。
どれもとても甘く、優しくてーー。



(慣れていらっしゃるのかしら?……ううん、それより)



ちょっと、嘘っぽいかも。
演技とは言わないが、恐らくちょっとだけ意地悪されている。
ニールが自分で言ったとおり、これはお説教の一部のような気がする。



「オリヴィア王女……!?いや、これはまた……仰せのように、貴方様には最優先事項ですな」

「…………うるさい。最初からそう言っている」


照れた様子に少し笑ったのを、ニールは大袈裟に腰に手を当てて睨んでくる。
確かに、身内の前でこんな甘酸っぱいお仕置きはごめんだ。
オリヴィアは、急いで案内してくれる男性の後を追った。