「ライリーもありがとう」
大きな手に頭を撫でられ、ライリーがくすぐったそうに身を捩る。
「来るのおっそいよ。……僕じゃオーリーを止められないんだからさ」
「ごめんなさい、ライリー。でも、怪我がなくて本当によかったわ。叔父様にはちゃんと私が叱られるから」
無理もないが、かなり怒っているのだろう。
年齢より大人びたライリーらしくなく、プイッとそっぽを向いてしまった。
「誰か送って。お子様にはこの森、ちょっと早いんだからさ」
「ロイ殿には私からもお詫びするよ」
そんな様子にクスクスと笑いながら、ニールがライリーを送り届ける指示を出してくれ、ようやくほっとする。
老夫婦も無事だ。
ニールに頭を下げ、手を振って。
「またね。オーリーちゃん。どうか、あまり無茶をしないでちょうだい」
そう何度も念を押し、笑ってくれた。



