「やめないか……!!」 『何も知らないガキ』――そう称されたことに反論する間もなく、聞き覚えのある声に振り向いた。 「オーリーちゃん、こっちへ……!!」 「あっ……!」 宿泊客の夫婦。 無事でいてくれたことに胸を撫で下ろしたが、相手の怒りは冷めない。 女子供、老人に諭されたことにプライドが傷つけられたのか、争っていたはずの両国の男たちは揃ってこちらを責めてきた。 「大体、お前らが余計なことをするから……!」 「……お前、間の子だな。お前ら、もしかして、祈り子の関係者じゃないのか」