虹橋の先へ




まだ自分よりも小さいけれど、ずっと頼りになる手に引かれ、ただひた走る。
息が切れて、それでもただただ急ぎ、精一杯足を動かした。
とても町並みを目で追う余裕はないはずなのに、閑散とし、しかしところどころ壊れ、倒された店々にグッと奥歯を噛む。



「オーリー、この先だ!!いい!?抜けるよ……!!」



町を抜け、恋焦がれた翡翠の森へ。
きっと、いや、絶対に。
それは、きゅんとするはずだった。
こんなふうに心臓がドクドクと嫌な音を立てるなんて、どうして想像できただろう。



「ええ……!!」



――自分の落ち度だ。
翡翠と呼ばれる美しさは完璧だったとしても、いつだって脆くヒビが入り得る。



(守らなくちゃ)



汚さず、そうっと大事に触れて。
でも、誰の手にも乗せていい。
乱暴にさえ、扱わなければ。