「オーリー……!?」
――分かっていなかった。何もかも。
ううん、理解するまでの道筋を辿るのを恐れていた。
だって、そこにはあまりに悲しいことや辛いこと――醜いことがそこらじゅうに落ちているから。
どんなに小さくても、綺麗なものはこの手で拾って集めるくせに。
大きくて目に入りやすいそれは、見て見ぬふりをしていた。
「こら、待ちな!!誰か、その子を止めとくれ……!!」
悲しみに肩を落とした皆の隙をつき、乱暴にドアを開けて外へ飛び出した。
(私、行かなくちゃ)
行きたい。
怖いし、不安だし、たとえ歩道は整えられておらず、どれほどでこぼこで、上手く前へ進めなくても。
先に通る人がいなければ、そこはずっとでこぼこ道のままだ。
投げ出していいのかもしれない。
無視して、適当で幸せな生活を送ってもいいのかもしれない。
少なくとも、選択肢のひとつとして贅沢にも与えられているのだろう。
それでも、欲しいものは別にあるのなら。
(ニール様、私……!!)
――今、この時の為に来たんだ。



