虹橋の先へ





・・・




夕方、晩御飯にはまだ早い時間。
粗方厨房も片付け終え、ほっと息を吐いたのも束の間のこと。



「さて、この時間なら大丈夫だろ。そろそろ、接客に戻ってもらおうかね」



へなへなと椅子に座り込もうとしたのを見ていたかのように、ハナの声が飛んできた。



「何だい。今日はこれくらいにしとこうか、なんて、私が言うと思ったのかい?」



思った。
と言うより、希望だった。
ずっと立ちっぱなしで足が棒のようだし、初日で緊張しているせいか、正直余計に疲れている。



「ほら、次のお客からよろしく。年寄りは引っ込んでいるから、何かあったら呼んどくれ」




(うぅ……。仕方ないか)



さすがに、自分よりずっと年上のハナを引き留める理由はない。
慣れているとはいえ、これをほぼ一人で終日やってのけるなんて本当にすごい。
せめて、自分がいる間くらい、ゆっくりさせてあげたいし。



(もうひと踏ん張り!!)