虹橋の先へ



その声に小さく笑ったものの、レジーは続きを言ってはくれなかった。


「もちろん、あの方にはお会いしたいですが。でも、単に我が儘で飛び出したと呆れられたくはないんです。お目にかかる時、少しでも成長していたいから。あ、でも……本当はお姿だけでも拝見したいんですけどね」



無茶苦茶だ。
一体、どっちなんだと言われてしまいそう。
でも、どちらも本心だとしか言いようがない。



「本当はそれでいいはずなんだ。ガキが多少我が儘になったって。そんな世の中を、あいつは作ろうとしている。……そうなるさ。それにはきっと、色々振り切って飛び出すくらいの気概がある方がいい」

「あ、ありがとうございます!」



予想外の人物に認められたのが嬉しくて、頬が熱くなってきた。



「俺は妻子持ちだぞ」

「……知ってますよ……!!」



大真面目におかしな冗談を言い、レジーは来た時と同様にふらりと帰ってしまった。



(もう。でも、励ましてくれたんだな)



めげている場合じゃない。
レジーは正しいと思う。
何かを変えるのは、何もしないお姫様じゃない。
何も持っていなくても、もがいてみせる女の子だ、きっと。