できるだけ小さく息を吐いたつもりだったが、耳に入ってしまったのだろう。
ライリーがマグカップを手渡してくれた。
「父さんじゃないけど。これから、どうするつもりなの?ニールに会わなきゃ話にならないよ」
まだ着いたばかり。
何も説明してはいなかったが、自分がここにいる理由はそれしかないのだ。
「……そうね。もちろん、みんなにも会いたかったけど。ニール様にお会いする為に来たんだわ」
温かい。
少し呆れたように、イライラしているようにも見えるライリー。
彼が淹れてくれたホットミルクは、ほんのりとちょうどいい温かさだ。
「だよね。でも、こう言っちゃなんだけど。まだここはトスティータなんだよ、オーリー」



