「言っておくけど、君の言った通り記念式典があるから警備も厚いよ。まさかとは思うけど……」
「……いくら私でも、お城に忍び込んだりはしません」
そんなことをしたら、さすがに大問題だ。
王女だからどうこう、という問題ではない。
婚約破棄などになっては、目も当てられない。
「そう?なら、いいけど」
『じゃあ、何で来たの?』
そんな問いかけに気がつかなかったふりをした。
そうせざるを得なかったのだ。
だって、その質問の答えは持っていないのだから。
「でも、私もオーリーに会いたかったから、ちょうどよかった。アルフレッドやエミリア様も元気にしてる?」
不自然な、ジェイダの振り。
ロイは肩を竦めたけれど、おかげでそれ以上尋ねられることはない。
「はい。二人ともジェイダ様に会いたがっていますよ。それに、キースも何だかんだ言って気にしているようです」
(ありがとう、ジェイダ様)



