『結び目』

「文化祭来ない?唯葉」
え、行きたい。

そう思っても素直になれない私は私が嫌いだ。

「いや、高梨先生に相談しないとわからない。」

「行きたい??」
「別に。」

いつも感情と反対の言葉。
それに気づいてくれるのはやっぱり、

お姉ちゃんが帰って、シーンと静まったのも一瞬。

「唯葉さ、絶対文化祭行きたかったでしょ!」
こいつ晴翔には、嘘がつけない。
何故か全部見透かされてて。

「行きたいけど、、。」
私が口籠ると、爆笑して。

「素直に言えばいいのにって思うけど。
素直になれないのも、見てるからわかるよ。
まあ、バレバレです笑笑。気づいてないの愛さんだけだよ。」

お姉ちゃんはどうやら鈍感だそうで。

さっき別にって言ったときも、ちょっとだけだけど表情が曇ったの。

きて欲しいって思ってくれてたのかな。


晴翔はこのタイミングから、曇った表情など一切してなくて、こっちをみてふぅーんって顔をしてたなぁ。

やっぱり晴翔に嘘はつけないし、つきたくない。
晴翔は私の大事な幼馴染だから。

でも、好きだとか、付き合おうとかにはしたくない。
私は晴翔とこれからも過ごしたいから。

関係を壊すのが怖い。

でも、晴翔と一緒にいたい。

わがままな私は私が嫌い。

隠し事はしてないわけじゃないよ。
ひとつやふたつはある。

でもさすがにちょっとやりすぎたかな。

ごめんね。言ってなくて。

言い訳させて?
私は、晴翔とお姉ちゃんを愛してたの。

ほんと、ごめんね?