愛はいつもどこかに行っている。
あんなに学校ではしゃぐ愛は、何故か友達と遊ぼうとはしない。
誰も遊んだことがないらしい。
学校が終わったらすぐに駆け出すほど大事な場所であるのはわかる。
それがどこなのか。
それがどれほど大事なのか。
俺はまだなにも知らない。
そんなことを考えていたとき、愛がバスの前の席に乗っているのが見えた。
たまたまの偶然だ。
「あ!おります!ありがとうございます!」
いつもの明るい声に少し安心している俺がいた。
そんな愛がおりた場所。
いつも飛んで行くほど大事な場所。
ー中央総合病院前。
元気に走っている愛から病気なんて、想像できなくて、混乱している頭とは裏腹に動いた足。
そっとついていくようにして、バスをおりた。
最寄りまで、あと3つもあるのに。
慣れた様子の愛はトコトコと病院に歩いて行く。
たどり着いた先は
ー心臓外科
とても愛に心臓病があるとは思えなくて、
困惑しているうちに、愛は病棟へと走って行った。
やっぱり愛じゃないんだね。
愛のなにか足りなそうな笑顔の答えがある気がした。
「あ、、あの!もしかして、久留須先輩ですか?」
「ん?誰」
「俺は、西崎晴翔で!あの、どうしてここに?」
晴翔とかいう子は聞いたことがあった。
愛が時々口にしていたから。
愛が言うには隣に住む幼馴染だそう。
そいつに痛いとこを突かれた俺は黙るしかなく。
「、、。」
「愛さんでも追いかけてきました?」
妙に勘の鋭い奴。
否定することもできるが、誤解が生まれるかもしれない。
それでも、俺は否定することに決定した。
「いや。父さんの仕事ぶりを見にきた程度かな。」
「お父さんですか。」
初めて父の仕事に感謝した。
同時になにも聞かずに、微笑むこいつが何故か愛と重なる。
事情がありそうな時は相手が話さないかぎり聞かない。
愛が知らず知らずのうちにしている癖だ。
「君はどうしてここに?」
「愛さんから何も聞いてないんですね。」
愛がとられたみたいな感じ。
俺は愛のことをなんでも知ってますみたいな。
ムカつく((
「ああ。そんなところ。」
そしたら彼は困った顔をして、ぺこっと一礼し、愛の歩いて行った方に歩いて行った。
彼が知ることには叶わなくて、俺は帰ることとなった。
ーチーン、一階です。
スマホを見ていて、気づかなくて、前の人にぶつかった。
その人は俺より上背があって、がっしりしていた。
白衣なことから医者とわかる。
「すいません。」
「スマホばかり見ているからだろうが。
はー、おいお前。聞いているのか。」
「は?父さん、、。」
久しぶりに聞いた、ぶっきらぼうな声。
俺は運悪く父親にでくわした。
医者の父はほとんど家に帰ってこないし、
帰ってきてもすぐに出勤。
そんな父は、ほぼいないと同然で、
多分あっちも子供なんていないと同然で、
俺の名前なんて呼んでもくれなくて。
だから、まともに話したのは2年ぶりくらいかもとふと冷静に考えていた俺がいた。
「久留須先生!こっちです!」
「ああ。今行くよ。」
あっけなく終わった俺たちの会話は、2年の空白がもろにでていた。
ちなみに母はいない。
姉が1人と、ほとんどいない父。
そんな意外といそうな家庭で過ごしてきた俺は、
例外ではない。
ただ普通だった。
もしかしたら、愛が出てくるかもしれない。
今更、気づいた俺はちょこんと出口の椅子に座った。
あんなに学校ではしゃぐ愛は、何故か友達と遊ぼうとはしない。
誰も遊んだことがないらしい。
学校が終わったらすぐに駆け出すほど大事な場所であるのはわかる。
それがどこなのか。
それがどれほど大事なのか。
俺はまだなにも知らない。
そんなことを考えていたとき、愛がバスの前の席に乗っているのが見えた。
たまたまの偶然だ。
「あ!おります!ありがとうございます!」
いつもの明るい声に少し安心している俺がいた。
そんな愛がおりた場所。
いつも飛んで行くほど大事な場所。
ー中央総合病院前。
元気に走っている愛から病気なんて、想像できなくて、混乱している頭とは裏腹に動いた足。
そっとついていくようにして、バスをおりた。
最寄りまで、あと3つもあるのに。
慣れた様子の愛はトコトコと病院に歩いて行く。
たどり着いた先は
ー心臓外科
とても愛に心臓病があるとは思えなくて、
困惑しているうちに、愛は病棟へと走って行った。
やっぱり愛じゃないんだね。
愛のなにか足りなそうな笑顔の答えがある気がした。
「あ、、あの!もしかして、久留須先輩ですか?」
「ん?誰」
「俺は、西崎晴翔で!あの、どうしてここに?」
晴翔とかいう子は聞いたことがあった。
愛が時々口にしていたから。
愛が言うには隣に住む幼馴染だそう。
そいつに痛いとこを突かれた俺は黙るしかなく。
「、、。」
「愛さんでも追いかけてきました?」
妙に勘の鋭い奴。
否定することもできるが、誤解が生まれるかもしれない。
それでも、俺は否定することに決定した。
「いや。父さんの仕事ぶりを見にきた程度かな。」
「お父さんですか。」
初めて父の仕事に感謝した。
同時になにも聞かずに、微笑むこいつが何故か愛と重なる。
事情がありそうな時は相手が話さないかぎり聞かない。
愛が知らず知らずのうちにしている癖だ。
「君はどうしてここに?」
「愛さんから何も聞いてないんですね。」
愛がとられたみたいな感じ。
俺は愛のことをなんでも知ってますみたいな。
ムカつく((
「ああ。そんなところ。」
そしたら彼は困った顔をして、ぺこっと一礼し、愛の歩いて行った方に歩いて行った。
彼が知ることには叶わなくて、俺は帰ることとなった。
ーチーン、一階です。
スマホを見ていて、気づかなくて、前の人にぶつかった。
その人は俺より上背があって、がっしりしていた。
白衣なことから医者とわかる。
「すいません。」
「スマホばかり見ているからだろうが。
はー、おいお前。聞いているのか。」
「は?父さん、、。」
久しぶりに聞いた、ぶっきらぼうな声。
俺は運悪く父親にでくわした。
医者の父はほとんど家に帰ってこないし、
帰ってきてもすぐに出勤。
そんな父は、ほぼいないと同然で、
多分あっちも子供なんていないと同然で、
俺の名前なんて呼んでもくれなくて。
だから、まともに話したのは2年ぶりくらいかもとふと冷静に考えていた俺がいた。
「久留須先生!こっちです!」
「ああ。今行くよ。」
あっけなく終わった俺たちの会話は、2年の空白がもろにでていた。
ちなみに母はいない。
姉が1人と、ほとんどいない父。
そんな意外といそうな家庭で過ごしてきた俺は、
例外ではない。
ただ普通だった。
もしかしたら、愛が出てくるかもしれない。
今更、気づいた俺はちょこんと出口の椅子に座った。



