『結び目』

“愛お姉ちゃん。

私ね、お姉ちゃんのこと、大好きだったよ。

素直にならなくて、ならなくてごめんね?

ほんとにありがとう。大好きです。”

耳が聞こえないと知らされてから作ったからか、字幕が入っていて、唯葉の優しさが感じられた。

私は耳が聞こえなくなってからも唯葉も、晴翔も、宮も忘れたことがなかった。

いつも、いつも、考えてて、会いたいなって。
会えないかなって。

自分の声は聞こえないけど、普通に話せていると言われて、同窓会に参加した。

口を読むことはできたけど、見えなかった部分は当然わからなくて。

あーでも嬉しかったかも。宮がいて。

思い通りの再開じゃなかったけど、会えてよかった。
まさか、バレるなんて思ってなかった。

あのぼーっとしていた性格はニセモノだったのかなぁ

で、あっさりバレちゃって、ついでに一緒にいた晴翔にも。
晴翔は一回会ってるんだよね。

一回、命日に、私すごい早い時間に墓参りしていたんだけど、その時間に来たんだ。

何か言われたのか言われてないのかわからないけど、
会えてよかった。

でも、玄関で晴翔が泣いた時は驚いたな。


あの人、昔っから強がりで、プライド高いから絶対泣いたりしなかったのに。

ー唯葉が死んだとき。

晴翔は泣いたのかな。

私がいなくなったこと不安に思ってくれてましたか?


別に不安に思われたいんじゃないけど、あんまり何も思ってくれないのは傷つくなぁ。

そして、唯葉。

何も言えなくて、私も素直になれなくてごめんね。


大好きだよ。愛してるよ。




みんな。ありがとうね。