『結び目』

『唯葉が来ないでって言った時、何か言ってるのはわかったのに、、。

聞こえなかった。』

なんでなんでって沢山苦しんだ。
今まで散々頑張ってきた結果がこんなことになるなんてって。

お父さん、お母さんを憎んだよ。



『そこから、おかしいと思って、病院に行ったら、


難聴ですって。聞こえないって。』

もう

じゃあもう、唯葉のせいにしちゃおうって思って、

唯葉に言ったんだ。

唯葉はね。

泣かなかったし、驚かなかった。

ただ嬉しそうに、

「来なくていいよもう。晴翔や、久留須さんに知られたくないんでしょ?それなら私のせいにすればいい。もう、来ないで。」ってね。

「勘違いしないでねって、愛してるよって」

そこから私はいなくなったの。

最初はずっとお金がなくて、家に引きこもってバイトしてた。

もちろん高校は中退しちゃってた。

そして、ある程度の資金が貯まった時に、引っ越したの。

政府がわたしを成人させてくれたおかげかな。

そして、高卒認定試験を受けて、大学に行った。

私、そこそこ賢かったみたいでね。

家から1番近い国立大学に入学出来たよ。

会社もそこそこ大手で、1人で生きていけてる。

でもね、やっぱり忘れられなくて、忘れたくなくて。


毎年、毎月、唯葉の毎日に花を手向けてた。

晴翔知ってるでしょ?一回会ったもんね。
なにか言ってくれたのかな。

ごめんね、』

『いいよ。愛が元気で、1人じゃなくて、楽しそうに生きていけていたなら。俺はそれで十分だよ。

でも、やっぱり愛。勝手にいなくならないでよ。

心配したんだよ。』

『ごめん。」

俺の目から一筋涙が流れた時、愛は俺を包み込むように抱きしめた。

「ほんと、ごめんね。」

きっと愛も泣いていたけど、俺はこういう結末も悪くないかなって。

西崎もまた泣いてて、3人で幸せを抱きしめ合った。