『結び目』

家の玄関で、西崎が話し出した。

西崎は後ろを向いていたので、愛は話していることすらも気づいていなかった。

「お邪魔しまーす。」

俺はあえて触れなかった。

「なんで、、言ってくれなかったんですか。
どうして、いなくなったんですか。
なんで、、何も言ってくれなかったんですか。」

苦しかったんだと思う。

俺だって、苦しかった。

なんで、言ってくれないんだろうって、
どうして、急にいなくなったりしたんだろうって。


でも、きっと唯葉ちゃんの為なのかなって。

わからないけど、きっと愛は俺たちを大事に思ってくれてた。

そう思って、愛を信じようって。

「愛を信じてる。今でも。」

そう言って、再生ボタンを押した。