『結び目』

久留須先輩がそうとうやられている。

そこそこ仲良くしていた唯葉が起きなくなって。

愛さんまでいなくなった。

きっと受け入れられない、受け入れたくないと思う。

そして、きっと俺も。


全然受け入れられない。

ずっと寝ているなんて、明らかにおかしい。

きっと、もう残り少ないなんて、すぐにわかる。

でも、言葉にしたら。
全て変わってしまう気がした。

だから俺は元気でいる。

少しの可能性を信じて。

唯葉ならきっと。

愛さん、新庄家に明かりは度々ついていたのは知ってる。

そして、まだ表札も。

愛さんは転校したんじゃないと思う。

出てくるのを見たことはないし、制服だって見たことがない。

きっと、退学したんだ。
わかっていたけど、知らないふりをして、先輩に言うんだ。

“昨日、電気ついてましたよ。”って

少しでも気力をつけてあげたかった。
元気にしてあげたかった。

でも、きっとできないんだ。

俺が笑顔になるのも、久留須先輩が笑顔になるのも、全ては唯葉に委ねられている。

俺が笑顔になるのは、唯葉の笑顔だけ。

久留須先輩を救うのは愛さんで、でも、愛さんを呼ぶためには唯葉しか適任ではない。

つまり、唯葉が全て。

このままだと。みんなが。