『結び目』

「すみません!!!!救急車呼んでいただけませんか!!だれか!!!お願いします!!!」

廊下の横からただごとでない声が聞こえてきた。

あと、
「唯葉!!!唯葉!!!唯葉。」

私の愛する人の名前も。

隣にいた宮なんか忘れて、我も忘れて、無我夢中で声のする方へ走っていった。

「唯葉、?晴翔、、。」

信じたくなかった。
唯葉が、倒れて、晴翔にもたれかかっている。

「唯葉?唯葉!!唯葉!」

晴翔の横には誰もいなくて。
晴翔はただずっと唯葉の背中をさすってくれてた。

私はその場に泣き崩れた。
晴翔は困った顔をして、少し泣きそうな顔をした。

私ができたのはただ泣きながら、唯葉を呼び続けたことだけだ。

ギュッと背中に振動がきて、目の前が真っ暗になったときにようやく正気を取り戻した。