『結び目』

「なぁ、愛。文化祭、誰とまわるの?」
「宮は?」

宮とまわりたいなとか言えない私は、質問を質問で返してやった。

「俺は考えてなかったんだよなー。友達は別にいるはずなんだけど。」
「いるはずって笑笑。」
「俺は愛とまわりたいな。」
「ふぇ?」

急な宮の申告に私は驚くしかなくて。
ふぇ?って笑笑
どんな反応だ。

「愛は?誰とまわるの?」
「宮がまわりたいなら、、。」

宮と反対の方を向いて。

「愛とまわりたいな。俺。」

いつもの笑顔とは違う。
私の前の”トクベツ”な笑顔。

「うん。まわろ!!」

私もまた。
宮の前だけの“トクベツ”な笑顔。

気分のいい日の夕焼けは、いつもより赤く見えた。