「生徒? は?」
宗吾はピンとこない顔をしているが、きっと七瀬が『先生』と呼ばれる仕事をしている認識が欠落しているのだろう。
彼にとって、七瀬の仕事は『趣味』であり、あくまで『お遊び』だから。
しばし呆気に取られていた宗吾だが、ようやく状況を把握すると、座った陣の前に出て彼の胸倉をつかんだ。
「ふざけてんのか」
「そ、宗吾さん……!」
あわてて止めに入ると、宗吾は腹立ちまぎれに陣の胸を突き飛ばす。
「そういうことか、二人で共謀して俺を浮気者だと詰って、嵌めるつもりだったわけか」
「共謀……?」
日常でまず使われることのない単語に、七瀬は面食らう。宗吾はこうやって七瀬の不意を突いて、自分のペースに巻き込むのだ。
でも、七瀬の困惑を遮り、襟元を正した陣が彼のペースに乗せられないよう冷静に反論した。
胸倉をつかまれるという、ドラマの中でしかまず起こらないような不測の事態に見舞われても、陣の冷静さを削ぐことにはならなかった。
「順番を間違えないでもらおうか、先だったのはあんたの不誠実の方だ。出張と嘘をついて女性と外泊デートしたのも、彼女の出張中に家に女性を連れ込んだのも。七瀬さんは弁明しなきゃならないような後ろめたいことは、これまで何一つしてない」
宗吾は表情を消し、低い声で憎々しげに陣を睨み続けている。
「口だけならいくらだって言えるからな! 何が先生だ、バカバカしい。土曜も昨日の夜もこの男の所で、どうやって俺を悪者に仕立てて別れようか算段してたんだろ。泣きつけば助けてくれる男がいてうらやましいなぁ、七瀬」
声を荒らげながら宗吾がテーブルを拳で叩きつけた。
宗吾はピンとこない顔をしているが、きっと七瀬が『先生』と呼ばれる仕事をしている認識が欠落しているのだろう。
彼にとって、七瀬の仕事は『趣味』であり、あくまで『お遊び』だから。
しばし呆気に取られていた宗吾だが、ようやく状況を把握すると、座った陣の前に出て彼の胸倉をつかんだ。
「ふざけてんのか」
「そ、宗吾さん……!」
あわてて止めに入ると、宗吾は腹立ちまぎれに陣の胸を突き飛ばす。
「そういうことか、二人で共謀して俺を浮気者だと詰って、嵌めるつもりだったわけか」
「共謀……?」
日常でまず使われることのない単語に、七瀬は面食らう。宗吾はこうやって七瀬の不意を突いて、自分のペースに巻き込むのだ。
でも、七瀬の困惑を遮り、襟元を正した陣が彼のペースに乗せられないよう冷静に反論した。
胸倉をつかまれるという、ドラマの中でしかまず起こらないような不測の事態に見舞われても、陣の冷静さを削ぐことにはならなかった。
「順番を間違えないでもらおうか、先だったのはあんたの不誠実の方だ。出張と嘘をついて女性と外泊デートしたのも、彼女の出張中に家に女性を連れ込んだのも。七瀬さんは弁明しなきゃならないような後ろめたいことは、これまで何一つしてない」
宗吾は表情を消し、低い声で憎々しげに陣を睨み続けている。
「口だけならいくらだって言えるからな! 何が先生だ、バカバカしい。土曜も昨日の夜もこの男の所で、どうやって俺を悪者に仕立てて別れようか算段してたんだろ。泣きつけば助けてくれる男がいてうらやましいなぁ、七瀬」
声を荒らげながら宗吾がテーブルを拳で叩きつけた。
