悪魔である以上それは当然なのだろうが、その十字架は、美弥が想像していたよりも大きい気がする。
美弥が絶句していると、与崎は「お前が気にすることじゃねえよ」と軽く言った。
「それより、お前の復讐の件なんだけど」
「あ、うん。何か?」
「協力するよ」
「……は?」
与崎があっさり言ったので、美弥は思わず聞き返した。
「あんなに反対してたのに?」
与崎は「反対っつうか、何つうか……」と頭を掻く。
「慎重になった方がいいとは言ったけど。お前がその気なら、俺も手伝う」
「だから、私は最初から本気……」
「分かってる分かってる。今のは言葉のアヤだ、悪かった」
美弥が文句を言う前に、与崎は早口で弁解した。
そして咳払いを一つし、「今だから言うけど」と与崎はシリアスに言う。
「俺、自分の経験もあって反対してたんだよ。悪魔になって良かったことなんて、一つもなかったから。……でも、それって結局偽善だよな」
そこで一旦言葉を止め、与崎は自分にも言い聞かせるようにきっぱりと断言する。
「同じじゃないんだ。俺と美弥は」
美弥が絶句していると、与崎は「お前が気にすることじゃねえよ」と軽く言った。
「それより、お前の復讐の件なんだけど」
「あ、うん。何か?」
「協力するよ」
「……は?」
与崎があっさり言ったので、美弥は思わず聞き返した。
「あんなに反対してたのに?」
与崎は「反対っつうか、何つうか……」と頭を掻く。
「慎重になった方がいいとは言ったけど。お前がその気なら、俺も手伝う」
「だから、私は最初から本気……」
「分かってる分かってる。今のは言葉のアヤだ、悪かった」
美弥が文句を言う前に、与崎は早口で弁解した。
そして咳払いを一つし、「今だから言うけど」と与崎はシリアスに言う。
「俺、自分の経験もあって反対してたんだよ。悪魔になって良かったことなんて、一つもなかったから。……でも、それって結局偽善だよな」
そこで一旦言葉を止め、与崎は自分にも言い聞かせるようにきっぱりと断言する。
「同じじゃないんだ。俺と美弥は」

