辛い時によく来ていたのは本当。
周囲から哀れまれるたび、『真珠の環』に命を狙われるたび、ここに来ていた。
公園を取り囲む神社と木立が、美弥を好奇と殺意の目から隠してくれているような気がしたから。
独りで家にこもっていると、たまに自分は社会から切り取られた存在なのではと感じることがあった。
それが嫌だった。
でも、ここは違う。
周りは木々に囲まれていても、ここには空がある。
空は無限に上へと突き抜けて、縦横無尽に周囲へ広がる。
世界と繋がっている、ということを教えてくれる。
圧倒的な解放感と世界との連帯感を感じさせてくれるこの公園は、美弥の癒しになっていたのだ。
「神様って、いると思う?」
美弥は、滑り台の下にいる与崎にそう声をかけた。
出し抜けな問いに、与崎は「あ?」と不可解そうな声を上げる。
「なんだそれ。学者気質か?」
「せっかく神社に来たんだし。こういう話題もたまには、ね?」
というか、与崎は一回死んでるのか。
それなら答えを知っているはずだ。
美弥は期待しながら与崎の言葉を待ったが、返ってきた答えはがっかりするものだった。
「知らん」と与崎は冷淡に言った。

