落ちこぼれ悪魔の扱い方

美弥は「あ、あはは……」と渇いた笑いを上げ、与崎を宥めにかかる。

「あんなの喧嘩に入らないよ。ただ、与崎外出てないでしょ? ずっと家にいるのも息が詰まるかなと思って」

美弥はできるだけ優しく言う。

その甲斐もあって、与崎は「まあ、言われてみれば」と納得してくれた。

「そういうことなら、行ってもいいな。俺もしばらくこっちの世界には来てなかったし。……案内、お願いしていいか?」

与崎の声は無愛想だが、浮き足立っているようにも聞こえる。

美弥は笑顔で頷いた。

「もちろん。じゃあ、早速行こっか!」


美弥は意気揚々とドアを開けたが、玄関で革靴に履き替えようとしている与崎を見て愕然とした。

「ちょっと、その格好で外出るつもり?」

「はぁ?」与崎は不機嫌そうに声を上げる。

「ベールは外せないって言ってんだろ」

「そうじゃなくて、服!」

美弥は与崎の上半身を指差した。

「裸にスーツの上着一枚って、変態みたいだよ? 普通に恥ずかしいからやめて」

与崎は自分の上半身と美弥の顔に、交互に顔を向ける。

その肌はみるみるうちに赤くなり、与崎は無言で自室へ駆け込んでいった。