落ちこぼれ悪魔の扱い方

与崎は居心地が悪そうに突っ立っていたが、美弥の笑いがおさまるのを見計らって声をかけてきた。

「いつまで玄関にいるつもりだよ。早く上がれば?」

「そうだね、ご飯の支度もしなきゃいけないし」

美弥はスニーカーを脱ごうとして、手を止めた。


代わりに、自室に入ろうとしていた与崎を振り返る。

「与崎」

呼び止められた与崎は、「ん?」と言って美弥を見た。

「今から、ちょっと外出ない?」

「……買い物か?」

与崎は乗り気ではなさそうだ。

「いやいや。そんな格好で外出たら、怪しまれるでしょ」

「じゃ無理だな」

与崎は有無を言わせずに踵を返す。

美弥は慌てて「ちょ、ちょっと待ってよ」と引き留めた。

「人があんまりいない場所、散歩しに行かない?」

与崎は疑わしそうに美弥を見ている。

「俺を追い出すつもりか?」

美弥は目を見開いた。

「どうしてそんな解釈するの!?」

「昨日喧嘩したから」

与崎は素っ気なく言う。


そういうことか、と美弥は理解した。

忘れたのかと思っていたが、一応気にしてはいたのか。