落ちこぼれ悪魔の扱い方

「私の服が生理的に受け付けない、ってこと?」

わざと意地悪く訊くと、与崎は「どうしてお前はそう曲解するんだ」と憮然として言った。

「そういう意味で言ったんじゃない」

「じゃあなんでそんな慌ててたの?」

美弥の視線を避け、与崎は気まずそうに目を逸らす。

一瞬黒髪の隙間から見えた耳は、真っ赤に染まっていた。

「服を共用するとか、なんか……恥ずかしいだろ」


美弥は一瞬フリーズしたが、すぐに噴き出してドラムロールのように笑った。

「え、本気で言ってんの?」

そう言って笑い転げる美弥を、与崎は嫌そうに眺める。

「そんなに可笑しいかよ」

「だって、初対面の時あんなにキザっぽかったのに。それが蓋を開ければウブでしたって、マジで、本当に……面白すぎるよ、与崎」


与崎が来てからの二日間、美弥は常に何らかの感情に包まれていた。

誰かと暮らすってこういうことなんだろう。

一人の時もそれはそれで楽しめたけれど、他に人がいるとまた違う。

からっとした明るさが、昼も夜も家に満ちているような。