落ちこぼれ悪魔の扱い方

「あの、えっと、本当にすみません。つい話し込んじゃって」

 咲子はあたふたしながら頭を下げ、「帰るよ、美弥ちゃん!」と美弥の腕を掴む。

「し、失礼しました!」

「失礼しましたー」

咲子に引きずられながら、美弥は間延びした挨拶をする。

先生は美弥たちをきつい視線で一瞥し、ぴしゃりとドアを閉めた。


「うう……これから保健室行きにくくなっちゃった……」

廊下を歩きながら、咲子が嘆く。

「怪我しなきゃいいんだよ」

美弥は使いものにならないアドバイスをして、咲子に控えめに睨まれた。

……そんな咲子には申し訳ないが、もう先生に怒られたことなど頭にないしどうでもいい。


美弥の気がかりは一つだけ。

与崎と真面目に話すこと、それだけだ。


咲子に生返事を繰り返しながら、美弥はそれだけをぐるぐる考えていた。