落ちこぼれ悪魔の扱い方

まあ正直そんなに期待はしていなかったので、美弥はとりあえず「あー、それは盲点だったかも」と感心するフリをした。

「後は……お父さんのこと覚えてないって、思い切って言っちゃえば?」

美弥はギクッとして硬直した。


それはダメだ。本当に洒落にならない。

「? 美弥ちゃん?」

咲子は不思議そうに美弥の顔を覗き込んできた。美弥はぎこちなく首を動かして頷き、「あー、それは盲点だったかも」と同じ言葉を繰り返す。

ブリキのおもちゃが壊れたみたいな動作だったが、咲子はそれほど気に留めなかったようだ。

「とにかく、一回ちゃんと話してみるといいかも。ロクなアドバイスができなくてごめんね」

「いいよいいよ。結構ためになったし……」

「あんたたち、まだいたの!?」

美弥の言葉に割り込んで、叫び声がこだました。


振り返ると、いつの間にか戻ってきた先生がドアの前で仁王立ちしている。

「戻りなさいって言ったでしょ!」

先生は細い目をつり上げて怒鳴った。

咲子はさーっと顔を真っ青にする。