落ちこぼれ悪魔の扱い方

「そ。咲子に言われて目が覚めたんだけど、もう『真珠の環』に怯えるのはやめようと思って」


「誤解するような言い方してごめんね」と謝ると、咲子は信じられないといった顔をした。


「でも美弥ちゃん、まだ狙われてるんでしょ? そう言ってたよね?」

「確かに言ったけど。でも、結構前のことだし」

美弥は肩をすくめる。

「不安なのは仕方ないとしても、それだけに囚われてるのはちょっと違うかな、って」

これで納得してもらえるだろうと思ったが、咲子は遠慮がちに「……無理してない?」と尋ねてくる。

「美弥ちゃん、今日もずっと悩んでるみたいだけど」

「それはまた別件。まあ、そっちもそんなに問題ないけどね」

 美弥がお茶を濁すと、「そっか」と咲子は疑わしそうな表情を一変させた。

……暗澹たる表情へ。


「だったら、話してくれればよかったじゃん」


咲子の掠れ気味の呟きに、美弥は耳を疑った。

咲子は、そんなウェットなことは言わないと思っていたのに。