落ちこぼれ悪魔の扱い方

今までの行動から察するに、与崎は根が小心者のはず。

この表情には怯むだろう。


だが美弥の予想とは裏腹に、与崎は動じなかった。

それどころか、やれやれとばかりに肩をすくめてこう言った。

「お前、睨んで言うこと聞かせようとするのは動物と一緒だぞ」


その一言が、余計に美弥の神経を逆撫でした。

冷静さだの弱味だの、もうそんなものを気にする余裕はない。

「与崎がしつこいのが悪いんじゃん。私だって生半可な覚悟でこんなこと頼んでないって、昨日も説明したのに」

美弥が怒りのままにまくし立てると、さすがの与崎もまずいと思ったのか「嫌味な言い方になったのは謝る」と早口で告げた。

「何も俺は、覚悟がないって言い切ってるわけじゃない。お前が父親のためを思ってこんな計画立ててるのも分かってる」

そう言われてしまうと、美弥はもう黙るしかなかった。


美弥は与崎を誤解させたままにしている。

その事実がつむ(・・)のように、嫌というほど美弥の胸を刺激した。