落ちこぼれ悪魔の扱い方


「は?」

たっぷり時間を置いてようやく、美弥は声を上げた。

「そんな、機関銃みたいな重い銃は頼まないよ? 拳銃とかなら筋力なくても問題ないと思うし、至近距離で撃てば照準だって……」

「そうじゃない」

与崎は静かに、しかし力強く断言する。

「やるなら相当の覚悟がいる。そういう意味だ」


美弥は唖然としていたが、次第にふつふつとした怒りが胸を埋め尽くし始める。


しつこい。

与崎のこういうところ、すごくイライラする。


久々に沸き上がる暴力的な感情に美弥は震えた。

こんなものを、押さえきれるはずがない。

「まだ言ってんの?」

美弥はスッと笑顔を消し、上目遣いに与崎を睨んだ。


与崎には初めて見せる表情。

……そして、『美弥のそういう顔、本当にゾッとする』と何人もの人に評価された表情でもある。


何もかも平均レベルの美弥だが、自分の表情の使い方に関してだけは自信があった。

周囲の目を誤魔化すために、ずっと色々な表情を練習してきたからだ。